森を散歩していたら

今になってジャニーズにはまるとは思っていなかった

沼ガール

 世間では沼ガールという言葉があるらしい。森ガールになりきれなかった子が沼ガール。高校を卒業するあたりに森ガールに憧れて見様見真似でそれらしいお洋服を着てはみたが微妙な仕上がりになってしまっていた私は沼ガールだったんだと思った。
 去年の夏頃いきなりそれまで興味が無かったジャンルに飛び込んだ。それがジャニーズだった。中学時代はEXILE、高校時代はバンドのライブ通いに必死だった私はアイドル自体に関心が無かった。
 私の周りには常にジャニーズが好きな人たちがいた。親戚が関ジャニ∞の大倉くんが好きで47都道府県ツアーをしたときチケットをもらい関ジャニ∞を見に行ったことがある。生でみる関ジャニ∞はキラキラしていた。私がいつもテレビで見ている関ジャニ∞では無かった。私の中でアイドルよりタレント寄りなイメージだった彼らは私の中で確実にアイドルになった。これをきっかけにアイドルへの見方は少し変わったものの私は興味の対象にジャニーズを置かなかった。
 それがなぜ今ジャニーズに興味を持ち、こんなに必死に追いかけているのか。
 私は専門学校に入って突如二次元の世界へ走り出した。この頃の私は癒しを求めていたんだと思う。高校生のときはライブがストレスの発散場所だった。しかし一人暮らしを始め簡単にライブへ行ける場所ではなくなり、時間的余裕もなくなってしまった。そんな私は二次オタの友達が多かったこともあり二次元の世界へズブズブとはまっていってしまった。
 そんな二次元ばんざい!なときにツイッターでアニオタジャニーズアイドルの存在を知る。それが宮田俊哉だった。「ジャニーズなのにアニオタか。ふーん。」程度だった。そんなとき宮田俊哉の全力ワンダフルラッシュをみた。衝撃だった。後のキスラジでキタミツはあのワンダフルラッシュについて「ダンスキレキレですごい!みたいな感じなんでしょ?ダンスやってる人からしたら普通だから」というような雰囲気のことを言っていた。もちろんダンスが全く踊れない私からしたらキレキレだとも思った。でもそれ以上に熱量がすごかった。語彙貧だけどすごかった。何か惹かれるものがあった。宮田俊哉をきっかけに私はキスマイを少しずつ追いかけるようになる。歌番組にバラエティー、雑誌。十分すぎるくらいの情報量。キスマイに魅せられてファンになってしまった。今現在キスマイに始まりちょっとずつ他グループやジュニアちゃんたちが気になりつつある。
 ジャニーズを必死に追いかけ始めた理由としてキラキラしていたからということが1番大きいと思う。中学のころの自分は関ジャニ∞をみてキラキラしている!とは思ったが興味の対象にはならなかった。それは中学のときの自分が充実した生活を送っていたからだと思う。部活に必死、好きな人もいた満たされていた時期だった。中学時代とは逆で高校時代から現在まではゆるゆると生きてきた。このゆるゆる時代が私をジャニーズ好きにしたんだと思う。一見華やかな世界だけど裏では大変な努力を重ねなければならない。大変な努力を積み重ねてキラキラしたオーラを放つ。努力を積み重ねる力もキラキラも私が持っていないものだった。人は自分のもっていないものを持っている人を好きになるとよく聞く。例に漏れず自分もそれだった。自分にはないキラキラを眺めていたくて追いかけているんだろうなと思う。
 ジャニーズ沼の前にあった宮田俊哉という石に躓いて見事にジャニーズ沼にはまってしまった。脚が抜けない。世間では沼ガールの意味は森ガールになりきれていない子かもしれないけれど沼ガールっていう言葉が今の自分みたいで少し気に入った。沼っていう響きは良くないかもしれないけれど私が今いる沼は心地が良いので満足するまでこの沼に脚を突っ込んでいようと思う。